Rwanda

千の丘の国ルワンダ

 ジェノサイドから24年が経ち、ポール・カガメ大統領のもと、急速な発展を遂げている。

発展の裏にはウムガンダという月に一回あるコミュニティワークに参加する真面目で温厚な国民性と中国資本の進出が大きく寄与している。外国人でもビジネスの立ち上げは容易であるため、中国企業が数多く進出している。携帯電話含め電化製品はほとんど中国製であり、日本製品は車を除くと探すのに苦労する程。特筆すべきはインフラ工事現場である。道路工事や建築現場には中国語の看板が立てられ、中国人現場監督がルワンダ人労働者を指揮する姿が見受けられる。中国人以外にもスモールビジネスを開始する外国人起業家は多いが、母数は大きく異なる。起業家にとっての課題は国土が四国の1.5倍ほどで資源も少ないため、マーケットが小さく事業継続が難しい点である。

 

ICTへの取り組み 

 資源が少ないという物理的なディスアドバンテージがあるからこそ、現在ルワンダはICT立国を目指している。

ポール・カガメ大統領は2024年の在位期間満了までに全国民がコンピュータを扱えることを目標の一つに掲げている。教育面ではOLPC(One Laptop Per Child)によって全ての学校にノートパソコン配布を試みている。

 ICT立国に取り組む上での課題として、電力問題・指導者の不足があげられる。通信網が国土の90%をカバーしているのに対して、送電網は40%程度と低い。また、エネルギー資源を輸入に頼っており、電力料金も高い。そして、首都キガリでも数時間の停電が珍しくない。電力問題解決に太陽光など次世代エネルギー活用推進が必須であろう。

 指導者不足も深刻である。前述のOLPCによって小・中学性へのコンピュータ配布は行われている。しかし、教師への配布は無い。カリキュラムによりICT授業は組まれているがコンピュータ使用経験のある教師が少ないため、youtubeでコンピュータの説明動画を流すことが授業のメインになっている。生まれた時からスマホがあるデジタルネイティブ世代へのICT教育は従来とは異なるはずであり、教育に関しては試行錯誤の時期だと言える。